日記:家か人か

小説を書く人は作家というけれど、詩を書く人は詩人という。家とつくか人とつくかで、何だか雰囲気が違うように思える。家とつくとどっしり構えていそうで、人とつくと孤高だ。しかしどちらにも力強さを感じる。

作家、画家、音楽家、陶芸家、研究家、書道家、格闘家、発明家、酪農家。家とつく方は意外と多い。これに対して、人とつく方は少ないのではないか。思いついたのは、詩人、歌人俳人

少し調べてみたら、家とつく場合は職業を指し示すそうだ。確かに、「ご職業は? 」「作家です」というやりとりに不自然はない。そして、人ではないけれど、者とつく場合は、職業ではなく人物を指し示す言葉になるという。具体的な例を挙げると、作者や研究者、生産者だ。「この小説の作者は私です」というようになる。

こうなると、人とつく場合はどうだろう。なんとなく、人と家よりも人と者の方が漢字の持つ意味は近い気がするけれど、「この詩の作者は私です」というだろうから、今回の例に当てはめるとどこか違う。そうなると、単に家だと語呂が悪いから人とつけているのだろうか。案外そうかもしれない。言葉はおもしろい。