日記:わくわくリンツの量り売り

今まで店の前を通りがかるたび気になりつつも見送っていた、リンツのチョコレート量り売り。店内のクリスマスまっしぐらな雰囲気に背中を押されて、遂に専用の袋を手にした。色とりどりの包み紙にくるまれたチョコレートたちは、きらきらとしていてまるで宝石のようだ。丸いのは食べたことがあるけれど、四角っぽいものや巾着上に包まれたものは何だろう? フレーバーの紹介文を読みながら、るんるんとチョコレートの山々を二巡りして、最終的に6粒選んだ。意図せずビター系が多くなった。食べる前から気になっているのが、ヌガー入りのとナッツ入りのもの。気に入ったらまた買いに行こう。

思えば、リンツに限らずお菓子の量り売りは今まで利用したことがない。量り売りを利用したことがなくても、映画館やファンシーショップにある量り売りコーナーを見るのは子どもの頃から大好きだった。原色のグミ、ドライパイナップル、ココアビスケット、カラーチョコレート、どんな味がするのやらと思って透明な箱に詰められたお菓子たちを眺めていたものだった。見ているだけでも楽しいものだった。

チョコレートを詰めながら、子どもの頃特に気に入って読んでいた「長くつ下のピッピ」を思い出した。お菓子屋さんで量り売りのお菓子を買うというエピソードがあったのだ。これには随分憧れた。未知の量り売り、しかも出てくるお菓子が外国のものばかりということで胸が躍った。確か、お店に置いてあった赤か緑かのドロップを瓶に入っているだけ買い占めていた気がする。*1そのドロップが一体何味なのかも非常に気になる(今でも気になっている)ところではあるけれど、ドロップ買い占めはすごいや! と子供心に思ったものだった。

もし子どもの頃の私に量り売りについて教えるならば、嬉しさは物量に比例するものではないみたいだよ、ということだろうか。「好きなものを好きなだけ」というのをちゃんと喜びにするには、案外節度が必要だ。…とはいえ、例えばリンドールをお店にあるだけ買うというのは夢のような話だし、もし私が突然億万長者になったら、その夢の実現を少し考えてしまう気がする。

*1:記憶違いだったら申し訳ない。