日記:アボカドは果物

アボカドは果物だ。何食わぬ顔をしてサラダに紛れていたり、エビと一緒にパンに挟まっていたりしていても、野菜ではない。なぜなら木に実るから。

とはいえ、甘くない果物というのは多少違和感がある。類例が思いつかない。料理に使う果物と言えば柚子やすだち、かぼすあたりが思い浮かぶけれど、彼らは迷いなく果物に分類できる。それらに比べて、アボカド。決定的な違いは水分量だろうか。こってりしていて、ずっとそこにいる。風味付けなんて私には役不足よ、と言わんばかりだ。大女優の風格、それがアボカド。

唯一アボカドが果物っぽいなと思えるのは、目利きが難しいところだ。食べ時がわかりづらいというか、包丁を入れてみて初めて状態がわかることが多い。野菜は葉っぱの様子とかがわかりやすくてあまりそんなことはないけれど、果物は見た目判断だけでは不十分で、結局皮を剥かないと、切ってみないと、食べてみないと食べ頃かどうか、美味しいかどうかわからないものが多い気がする。難儀だ。でも、だからこそ美味しいものにあたると嬉しいのかもしれない。

私はアボカド初心者なので、果肉がちゃんと全部きれいな緑だったことが数えるほどしかない。しかし大概は切ってみると茶色くなった部分があったりして、都度しょんぼりしている。買ってきてから速攻で食べずに、しばらく持つからと冷蔵庫に置いておくのがよくないのかもしれない。「握ってみて柔らかければ食べ頃」というのも、正解の柔らかさがいまいち掴めておらずまだ難しい。今日もアボカドを切ってみたのだけれど、今回は放置しすぎたらしい。食べられそうにない部分を削いだらずいぶん痩せっぽちになってしまった。このアボカドは、ブロッコリーと一緒に食べることにする。果物だけど。