日記:うさぎりんごの達人

りんごはうさぎの形に切るのに、似た果物である梨のうさぎはあまり見かけない。私自身もそういう風に切ったことがない。どうしてだろう、梨の方が果汁が多くてそういう風に切りにくいだろうか。今度梨を買ったときに試してみよう。

昨年、正しいうさぎりんごの切り方を会得した。正しいというか、失敗が少ないと表現した方がいいかもしれない。りんごを8つに切って、皮に切れ込みを入れてから包丁で皮を剥くのだ。それまでは8つに切った後のりんごの皮を途中まで剥いて、ぺろんとした皮を耳の形にカットしようとしていた。当然のようにきれいに作れないから、世の中のうさぎりんごを切れる人は器用なんだなと思っていた。

今思うと、どうしてあの方法でうさぎりんごを作れると信じていたのかという感じだけれど、その当時の私は切り方を疑いもしなかった。難しいなとは思っていたが、ネットでコツを調べるでもなかった。真面目にうさぎりんごは難しいもの捉え、せっせと剥いては覇気のないうさぎばかり作っていた。あるとき先に切れ込みを入れてしまって、間違えた、と思いつつ仕方なく皮を剥いたらきれいなうさぎになったとき、目からうろこというか、青天の霹靂というか、画期的なものを発見した高揚感があった。その後、私の発見は普遍的なものであることがわかり落ち着きを取り戻したわけだけれど、今では元気に飛び跳ねそうなかわいいうさぎを作ることができる。