日記:柑橘をどうぞ

スーパーの地産地消コーナー、おなじみの野菜や珍しい野菜の片隅に果物もちらほら置いてあって、最近はそこに柑橘がゴロゴロしている。一様に丸くてオレンジ色かと思いきや、黄色い皮のものや、デコポンよろしく凸の字になっているものもある。見た目が似ているものでも、よく見るとラベルに書いてある名前も違う。今日は伊予柑、不知火、パール柑、スイートスプリング。この前は別の名前も見た。世はまさに大柑橘時代。

名前が可愛らしいので、今日はスイートスプリングにした。調べてみると、温州ミカンとハッサクからできた品種らしい。そういえば、ハッサクって苦手だった。学校の給食で出たのを食べたら、苦みが強いのと袋が固いのとでずっともちゃもちゃと噛んでいた。子どもの頃はダメだったけれど、今食べたら案外いけるかも? 今度見かけたら買ってみようか。食べられるものは多い方が嬉しいし。

今、やっと1玉分皮を剥いた。外側の分厚い皮と中身の間に親指を潜らせ、房ひとつひとつをばらし、袋を破って果肉だけにする。想像以上に面倒で大変だった。そのうえ、力加減やコツがまるでわかっていないので、きれいな形に取り出せたものはひとつもない。今思うと、実家で柑橘が出てくるときは、必ず果肉だけの状態だった。それもちゃんと房の通りの形をして。デザートに出てきたら簡単にひょいひょいと食べていたけれど、あれは随分手のかかった、丁寧な一皿だった。次、母に会ったらお礼かたがたコツを聞いてみようと思う。