日記:めろめろメロンパン

少し前までメロンパンが嫌いで、スーパーのパンコーナーでもパン屋さんでも見向きもしなかった。子どもの頃はメロンが嫌いだったので、まず名前からして嫌いだった。大人になってパン自体にメロンは使われていないことを知ったものの、なんだか食べた感じがもっそりしているのが得意ではなかった。

この前、羽田空港の木村屋でメロンパンを見かけて初めて心動かされた。飛行機から降りて、荷物を受け取りに行くまでの道で目に飛び込んできた。丸くてドーム状でほんのり黄色くて、降りかかった砂糖がきらきらしてかわいく見えた。旅行中もふとした時にちょっとそのことを思い出し、考え、帰りの飛行機の出発前にそのお店でメロンパンをひとつ買った。思いがけない買い物だった。

かばんにしまったメロンパンは飛行機とバスの移動をものともせず、自宅に辿り着いたときもきれいなふくらみを保っていた。なんとたくましい、そして少し小さめなのがかわいらしい。牛乳だ。この食べ物には牛乳を合わせるべきだ。ピンときたままマグカップに牛乳を注いで、それからメロンパンをかじった。おいしい! メロンパンってこういうものだったか、私の記憶していた味よりもはるかに美味しかった。牛乳とももちろん相性抜群だった。

新たにメロンパンというジャンルを開拓した私は、これから行く先々のパン屋さんでメロンパンを買う予定だ。今のところ、暫定1位は木村屋。なお、木村屋と言えばあんパンが有名じゃなかったか、と食べ終えてから気が付いたし、あんパンを買わなかったことに若干ショックを受けたことをここに報告する。