宝塚旅行記②:宝塚駅周辺、中山寺、宝塚温泉

伊丹空港からモノレールで1駅、そこから阪急の電車に乗り換えて終点まで乗れば、宝塚には40分くらいで到着する。もう何度目かの道のり、このルートの乗り換えだけは田舎者の私でも難なくクリアできる。宝塚行きの急行を待っていると、向かい側のホームにちいかわ電車が滑り込んできた。かわいい。しばらくして私が乗る電車が来た。阪急電車、色が深い小豆色をしてつやつやしていて可愛らしい。どことなく私立高校の制服みたいだなと思う。

宝塚に到着したら、まずはホテルに荷物を預ける。とにかく自分で荷物を運びたくない。引換札を受け取って、まずはソリオにあるたからづか牛乳へ。ここのざらめヨーグルトが美味しいのだとよく耳にするので、一度食べておこうと思った。

無添加・無調整牛乳の製造、販売|たからづか牛乳 (takagyu.jp)

店頭へ行くと、ざらめヨーグルトを特売していた。普段ひとつ500円のところがひとつ400円、ふたつで600円。とてもお買い得、いや破格だと思われる。ヨーグルトひとつと牛乳1本をイートインした。

牛乳を瓶で用意してもらえて嬉しかった。瓶で飲む牛乳は特別感がある。牛乳は、上の方にクリームの層ができるというのでスプーン付きで提供された。確かに、もったりとした何かがある。掬い取って食べてみるとまったりしたクリームで、これはすごいぞとありがたく頂戴した。ざらめヨーグルトもたっぷり入っていて美味しかった。とろんとした食感で、私はどちらかというとパルテノみたいな堅めの食感の方が好みではあるけれど、これもまた美味しかった。他にもソフトクリームやシフォンケーキやプリンも置いてあるらしく、次回来店時は他のものも食べてみようと思った。もうちょっと店内が広いと聞く南口店まで足を延ばすのもいい。

食べたばかりではあるが、この足で同じくソリオにあるSARAHへ。このお店はスコーンと紅茶を楽しめると聞いた。ちょうど昼時だったので、ランチプレートも注文した。念のため断っておくと、この日は5時に起きてから特に何も食べず移動続きだったので、かなり空腹だったのだ。

ティーハウス サラ (Tea House SARAH) - 宝塚/喫茶店 | 食べログ (tabelog.com)

ランチプレートは小さいパン2つ、サラダ、ハッシュドビーフ。食後にスコーン2個とセイロンティー

噂に聞きしとおり、スコーンが絶品だった。クロテッドクリームというものを私は初めて食したのだけれど、これは美味しい。スコーンにつけて食べるためにあるのかもしれない。一緒にジャムも供されていたけれど、途中からクリームオンリーでいただいていた。それほど美味しかった。しかしスコーンは美味しいながらも難敵だった。何せ小麦粉がギュッとしているのだ。口の中がもっちゃりする。別段固い食べ物ではないのに何故かあごが疲れる、それがスコーン。紅茶が進むが、食べるスピードは全くあがらない。お茶の時間を早く切り上げさせないためのイギリス人の方策なのだろうか? 何はともあれ最後までしっかり完食。ケーキやシナモントーストも美味しいと聞いたので、これもまた今度食べる機会を作りたいと思う。

阪急宝塚駅で電車に乗り、中山観音駅へ。ここでのお目当てはふたつ。菅屋の金覆輪と、中山寺だ。

本店 | 寶菓匠 菅屋 (sugaya-web.com)

大本山 中山寺|安産祈願・子授祈願|兵庫県宝塚市のお寺 (nakayamadera.or.jp)

まずは菅屋、電車の中で確認した地図の情報をぼんやり思い出しながら駅前の道を行く。知らない町を歩くのは不思議な感じだ。観光地に行くのとはまた違うベクトルの旅、周りがごく普通に生活をしている中に迷い込んだ感じがする。視界の端々に「だんじり祭り」の紺色ののぼりをとらえる。この周辺で盛んなお祭りであるそうで、ちょうど今はお祭り期間中、街中を地車が走っているそうだ。

菅屋には10分ほどで到着できた。金覆輪と栗どん、菫を買う。金覆輪のイントネーションがよくわかっていなくて、店員さんに伝えるときにとても訛ってしまった。お恥ずかしい限り。駅まで戻る道に、何者かの足跡を見つけた。犬か、猫か。地面が妙に柔らかくってさぞ驚いたことだろう。

満を持して中山寺へ。宝塚へ向かう電車の窓からこのお寺の五重塔が見えていて、いつも何なのだろうと思っていたからこの機会に訪れることができて嬉しい。短い参道を抜けると立派な門が現れた。

門の両サイドには仁王像が、その裏に狛犬もいる。境内図を確認するとあちこちに建物があるようだったので、一巡りすることにした。いくつか参拝の場所があり、それぞれ聞き入れてくれる願いの方向性が異なっている。なんとなくの個人的なイメージとして、お寺は個人の努力が第一にあって、仏様へは「正しい方向へ導いてください」と指導をお願いする感じなのかなと思っていたけれど、願い事も聞いてもらえるようだ。気になっていた五重塔は、階段をいくつか上った先にあった。車窓からはあまり色までよく見えていなかったのだけれど、深い青色をしていた。珍しいと思う。凛としてかっこいい佇まいだった。

この塔の近くに、弘法大師を祀ったお堂と像があった。私の習字が上達するように願掛けした。境内を一周したあたりで、右足が痛み始めた。朝から革靴を履いて歩きまわっていたせいだろう。お寺を後にして、電車に乗って宝塚駅に戻る。途中、売布神社の駅でだんじりの一行と遭遇した。爽やかな法被を着ていて元気があって素敵だった。

夕飯を調達するため、宝塚阪急の食品フロアを巡る。 折よく北海道フェアなるものが開催中で、食べてみたいと思っていたペンギンベーカリーの出店があった。しばらく迷ってちくわパンを購入した。「ぜひ実店舗にもお越しくださいね」とのコメントと共にいただいたチラシがとても美味しそうだった。この他、関西でよく食べられていると聞く薄焼き卵を皮に使った春巻きと、おこわのお弁当を買い求めた。こんな時にカロリーだの炭水化物だのと気にしている場合ではない。

ホテルにチェックインして、一旦食べ物を置いて再び出掛ける。今度は温泉だ。宝塚は温泉が湧く街、その歴史も古い。宿泊した宝塚ホテルのお風呂では温泉は出てこないけれど、近くにナチュールスパ宝塚という日帰り温泉施設がある。ここで1日の疲れを癒そう。

ナチュールスパ宝塚 (naturespa-takarazuka.jp)

入ってすぐの場所にある券売機で入浴券を買い、靴を靴箱に入れてから受付。タオルを1組貸し出してくれるのと、着替えの部屋にあるウォーターサーバー利用可とのことでありがたい。入館前に入口に置いてある自販機で水を買ってしまったのは内緒。温泉は金宝泉と銀宝泉の2種類があったので、交互に浸かって楽しんだ。銀よりも金の方が熱い。そして金の方はお湯が褐色がかっている。なんでも鉄分の色なのだとか。温泉につかりながら、飛行機に乗ってすっかりむくんだ脚をこれでもかともみほぐす。数日前にこむら返りした個所を押すとまだちゃんと痛かった。かれこれ30分くらい浸かってから上がると、体の隅々までぽかぽかに温まった。

宝塚ホテルに戻って夕飯にする。阪急で買ってきた食べ物はどれも美味しかった。個人的には春巻きが絶妙で、からしをつけて食べるのが好きだった。おこわのお弁当もとりどりのおかずと2種類のおこわで大満足だったし、ちくわパンも、なるほどこういう食べ物なのか! と新しい出会いだった。ここまでで食べ過ぎだと思っただろう。しかしまだ終わらない、デザートは金覆輪だ。一応こちらの主張を示しておくと、金覆輪は要冷蔵のお菓子なので、冷蔵庫が使えるホテルにいるうちに食べないと美味しさが損なわれかねないのだ。金覆輪、伝聞通りの美味しさで、自信をもっておすすめしたくなる食べ物だった。また食べようと思った。通信販売もあるそうなのでありがたい。

ちくわパンと春巻きは写真を撮り忘れました。

温泉に入ってぽかぽか・満腹な状態・朝から動き通しのトリプルコンボですっかり眠たい中、スカイステージをつける。るろうに剣心をやっていた。この作品は見たことあるので、折角だからとオンデマンドに切り替えて巡礼の年を見た。最後まで見終えて満足して就寝。