日記:レアなるモンスター

KATEのリップモンスター、2年前くらいからSNSなどで名前をしょっちゅう見聞きしているけれど、いつも店頭に置かれていない。お店を限定せず、行く先々でKATEの販売コーナーを見つけるたびに口紅エリアを確認するけれど、そこだけいつもがらんとしている。「入荷未定」、「おひとり様ひとつまで」のお知らせが添えられているけれど、在庫がある状態を見たことないわ、本当に販売されているのだろうか? 噂によれば、マスクにつかなくてきれいに発色するのだとか。欲しいじゃん、そんな口紅。 

しかしそれは、突然私の生活圏内に現れた。習字教室の帰り道、いつものショッピングセンター。どうせ無いでしょうと、ほとんど習慣のように口紅エリアを見た。あった。それもほぼ全種類。二度見して、手に取ってみて、本物だと理解してからは迷いはない。「おひとり様1点まで」のポップを見止め、ひとつだけレジへ持っていく。ルールは守った方がいい。No more rulesの矜持は、時と場合を選ぶ。

色は13番にした。ピンク色。なんとなくピンときた。ひと頃パーソナルカラー診断なるものが流行って、そのときにあなたはイエローベース秋ですと診断されてから、レンガとかかぼちゃみたいな色味の口紅を選んできた。確かに似合うと思う。でもそれだけではもったいない気がする。似合うだけではない、気分が浮き立つようなメイクをしたい。結局のところ、好きな色を使った者勝ちならば、私は私の好きな色を纏おう。