日記:そっくりさん

高校の同級生、名前は忘れてしまったけれど、顔なら覚えている子がいる。その子は片桐はいりさんにそっくりだった。身だしなみを整えるのに余念がなくて、よく制服のポケットから櫛を取り出しては前髪を梳いている子だった。昨今の情勢では同窓会もなく、卒業してから1回も参加していないけれど、たぶん、顔を見ればその子だとわかる気がする。

芸能人に顔が似ているのは、うらやましい。誰々に似ていると言われれば、何だか自分の顔により愛着と自信を持てそうだなと思う。芸能人は顔立ちが整っている人ばかりだから、客観的なところから〇〇さんに似ているね、と言われたら、多少なりとも嬉しいのではなかろうか。一方で、自分で密やかに私は誰に似ている、と思う人もあるかもしれない。それもまた気持ちが上向きそうな話だ。その芸能人を意識して、メイクやヘアセットを寄せていくのも楽しそうだと思う。いつの間にかファンになっていそうだ。

かく言う私は、芸能人に似ていると言われたこともなければ、自分で似ていると思う芸能人もいない。ガチャピンに似ていると言われたことならある。ガチャピン、あの黄緑の怪獣である。褒められている気がしないというとガチャピンに失礼だろう。彼は愛嬌があってかわいいのだから。