日記:スナップエンドウは春を連れて

スナップエンドウは見た目や味が春の気配を纏っているので、お店で見かけると冬の終わりが近いのだろうと思える。最近近所のスーパーでも安く出ているから、買い物の度に100グラムくらい買って、ほぼ毎日食べている。フライパンに浅く水を入れて軽く茹でて、塩をかけるのが手軽だ。これはおやつ代わりに食べる。緑のさやが前歯でさくっと音を立てるので小気味よい。鞘に収まった丸い豆たちのぷつ、という食感もいい。半分くらいの大きさに切って、野菜炒めに加えることもある。お弁当の具材に使うのも、色味がきれいになるから気に入っている。

そんなスナップエンドウ、美味しいのはもちろん、下ごしらえの筋取りが好きで買っている節がある。あの作業は無心になれる。帽子みたいな部分をぱきんと折って、あとは下向きに引っ張る。いけるところまでびびーっと引っ張って、筋がきれいに取れたときの気持ちよさ。指先が青々した香りに包まれるのも、私は嫌いではない。何なら自分からちょっと香ってみる。力強い、何ならしぶといくらいの植物の香りに草木が芽を出す季節の到来を思う。