日記:傘の色は柔らかなりや

8年ぶりくらいに雨傘を買った。傘を買うつもりで出掛けたのではないのだけれど、店頭でその傘が目に入ったときに心惹かれたのと、そのお店が今月末で閉まるというのに背中を押されて思い切って買ったのだ。もしかしたらこの傘、私を待っていたのかもしれない。

薄いすみれ色のきれいな傘、全長は少し長めだけれどそれは石突が結構な長さをしているからで、布の張られた部分は大きすぎず小さすぎず、私が雨粒をしのぐに十分な空間を作ってくれる。傘を開くと明るい紫に囲まれて、ロマンチックな雰囲気だ。ハンドルはロサブランの日傘と同じく竹でできているので手になじむ。ロサブランよりかは細く色の薄い竹を使っていて、かつカーブがきゅっとしているから、どことなくおとなしそうに見える。そしてそのハンドルに結わえ付けられたタッセル、これも素敵で気に入っているけれど、これは目印としてつけたまま使うのか、雨で濡れたりしたら悲しいから外して使うものなのかわからない。ひとまずしばらくはつけたままにしてみよう。

しかしこんなに可愛くて新しい傘、いきなり暴風雨の時に連れて行きたくないので、まずはぱらぱらと小雨の降る日から使い始めたいと思う。