手鏡と500円玉と飴の包み紙

たまにしか使わないカバンがある。今週のお題が「カバンの中身」ということもあり、ちょっと覗いてみるかと久しぶりに開いてみたら、てっきり失くしたと思っていた手鏡が出てきた。それに500円玉も出てきた。何だか得した気分。

いつも使うカバンはだいたい決まっていて、無印のリュックサック、斜め掛けのショルダー、肩に掛けられるトートバッグの3つだ。今日開いてみたのは、いつしか博多で買った赤の牛革カバン。元は仕事用にと買ったはいいものの、カバンそのものが重たくてそんなに使わなかった。もったいないし、せっかくだからこれを機に使ってみようか。

久しぶりのカバンはタイムカプセルのようで、思いがけないものが中に眠っている。それは映画の半券だったり、行方不明だった櫛だったり、水族館の案内パンフレットだったりする。最後に使ったのがいつなのか、どこへ出かけたのか、なんとなく感じ取れるからおもしろい。これからの季節にぴったりの、ファーで覆われたショルダーバッグにもきっと何かが入っている。去年の私の足取りはどうだろう。

一方で、ろくでもないものが入っていたりする。飴の包み紙なんてのはその最たるもので、出先でどうしようもなくなってしまいこみ、そのままになったのがポケットに1,2枚ありがちだ。赤の牛革カバンも例に漏れず、包み紙が発掘された。くちゃくちゃになったのを捨てながら、なんでこんなことをするのかしらと思うけれど、それ用のごみ袋をカバンに入れておくのも、何だか大仰な気がする。たぶん私は、これからも知ってか知らずか、何枚かの包み紙と一緒に出掛けていく。