私、書道教室に通う

春の終わりから書道教室に通っている。毎週1回1時間、毎月変わるお題を練習して、よく書けたものを先生に見ていただく。月に1度出品して、昇級できるか発表を楽しみに待つ。通い始めてからというもの、習字の日が楽しみで1週間が早い。

社会人になってから習い事をするのは初めてで、それに筆を持つのは実に10年振りだった。初めに書いたのは「我田引水」。どうしてこの四字熟語を? と当初は思ったけれど、とめ・はね・はらいが絶妙にあるのと、シンプルな文字はシンプルさゆえに難しいことはすぐにわかった。お手本を見て書いているのに、仕上がりが全然違う。私のは線が力んで文字全体が大きくなっているけれど、お手本はすっきりとした線で程よい大きさにまとまっている。

習い初めに比べれば、少なからず上達したように思う。初期は全体的に運任せな気配すらあった。今は、こう書けたら良いと思う線をたまに書けるようになってきた。それでも技術はまだまだで、きれいな線を書けるか、点が上手くいくか、はねが決まるか、はらいが掠れないか、一画ごとに緊張感がある。

先生が書いているときは、さらさらさらりといとも簡単そうに筆を運んでいるように見える。とてつもないことだ。今すぐにそうならずとも、私ももう少し余裕をもって書けるようになりたい。そうしたら、もっといろんなことに気を付けて文字を書けるかもしれないと思う。今は、一画一画に気を取られすぎて、ひとつ気をつけようとすると別の気をつけたいポイントを忘れるという、ニワトリもびっくりな忘れぶりを発揮している。

目標は、初段まで到達すること。私は初級から始めたけれど、初段に到達するまでは20段階くらいあるというので、地道に頑張りたい。あとは、会報誌に佳作として掲載されること。掲載作品を見るとどれも上手で、ここに自分のものが載るのは想像もつかないけれど、毎月の出品で会心の1枚を提出できるようにしたいと思う。