日記:黄色いあなたは秋田出身

いつものスーパーはたまに見慣れないものを入荷する。この間も皮が緑色のぽってりしたナスを突然売り場に並べていて、私はまんまと2度買った。あのナスは皮を削いで豚ひき肉と炒めたら美味しかった。

今日もまた、謎の刺客が梨コーナーの一角を占拠していた。近づいてみると、値札に「スタークリムソン」と書いてある。必殺技みたいな名前だ。4つ入って600円。珍しい果物は迷っているうちに売り場からいなくなってしまうので、勢いに任せて買うことにした。


洋梨はあまり買ったことがないので、食べ方を調べようと「スタークリムソン」で検索した。するとどうだろう、検索結果に出てくる画像がうちにあるスタークリムソンと違うではないか。なんとびっくり果皮が赤い! しかし驚くことなかれ、クリムソンというのが真紅という意味の言葉であるらしいので、名前と見た目がちゃんと一致しているというのだ。*1

『スタークリムソン』秋田県産 西洋梨 特秀 約5kg(16玉)産地箱 風袋込 ※常温|豊洲市場ドットコム (tsukijiichiba.com)

我が家のスタークリムソンは、名前こそ真紅だけれど見た目が黄色くてどこも赤くない。これは、値札に書かれていた名前が違ったのだろう。そうなると、スタークリムソンではないこの洋梨は一体誰なのか? もはやヒントはパッケージの「秋田のフルーツ」しかない。秋田のフルーツ、たくさんありそうだから的が広すぎる。

とにかく調べないと何もわからないので、さっきから「秋田の洋梨」と検索ボックスに打ち込んでいるのだけれど、表示される検索結果を幾度となく見ているうち、どうもバートレットという種類に似ているのではないか? と思い始めている。もしバートレットだとすると、果皮が黄色いと食べ頃であるらしい。これは食べて確かめるしかないのか? すでに甘くて美味しければバートレットとみなして大丈夫かもしれない。この見た目でまだ熟している風でなければ、残念ながら人違いだ。そのときはミステリアスな洋梨を傍らに、再びインターネットの砂漠を尋ね歩こう。

*1:私がCrimsonという単語を知っていたら売り場で見た時点で何かに気付いたかもしれないけれど、ディアボロのキングクリムゾンみたいと思うばかりでCrimsonなんて単語を使ったことがない私には無理な話だった。