日記:つとめて無口

無口だと言われる。確かに私はそんなに喋らない。口を開くとつい自分の話をしてしまうのが嫌で、外ではできるだけ黙っている。なんだか恥ずかしいのと、相手に悪いと思うのが半々だ。

思っていることが10だとすると、実際に口にしているのは2か3なもので、そうすると、無口の外観になる。しかし中身はそうでもない、内側は渦巻いている。

例えば、今日の予定。習い事のこと。今日のお弁当について。白ごはん.comで見つけたレシピが作りやすそうだった。気になる映画を見逃して悔しい。映画って不意に封が切られていつの間にか終わっているのはどうして? 駅ビルにできた新しいお店が気になる。夕飯はどうしよう? 冷蔵庫に大根ならある。今度のお休みに見るミュージカルの好きなところ。新しく買った服、襟の形が気に入っている。ヘアオイルを変えてみたけれど、香りがいいよね。図書館で本を借りるけれど、「あなたへのおすすめ」機能から選ぼうかな。案外、嵌るんじゃないかと思って。

ほら、なかなかに騒々しい。騒々しいのに、口を閉じるだけで外側は静まって見える。さながらジップロックのごとし。